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Mathias Lafeldt

本記事は、原著者の許諾のもとに翻訳・掲載しております。

私はDropbox内に”Write every day”という名前を付けたマークダウンファイルを入れています。2014年4月22日に作成したものです。それから5カ月経った今、ドキュメントのワード数は40,164ワードになりました。

4月に始めてから、少なくとも1日に250ワードの文章を書いた計算になります。確かに私は、毎日毎日、文章を書いてきました。

今では文章を書くことが私の日課となりました。自分の中での約束事にして、守るように決めた誇れる日課です。多産な文章家は私の書く文字数の少なさに笑ってしまうかもしれませんが、それは特に気にしません。誰しも出発点というものがあるのです。

文章を書く習慣をつけると決めたことは、今年一番の決断になりました。ここでは、私が毎日書き続けている理由について書いていきます。皆さんが私のように(そして私よりも)文章を書くことに意識を向けるきっかけになればうれしいです。

仕事仲間とのコミュニケーション

私はソフトウェアエンジニアです。ソフトウェアを開発することで生計を立てています。エンジニアには 2つの仕事 があります。複雑な話の要点を理解し、仕事仲間とのコミュニケーションを円滑に行うことです。そして、効果的な文章によるコミュニケーションがエンジニアチーム(と仕事全般)の成功において必要不可欠なことは明らかで、チームのメンバーが個々に仕事をするときなどは特にそうです。

ソフトウェア開発者は、同僚やオープンソースの共同開発者に複数の情報を伝達するために、様々な媒体を利用します。ソースコードそれ自体や、README、コミットメッセージ、GitHubのPull requestとissue、Wikiページ、電子メール、チームチャット、この他にももっとあるでしょう。これら全てに共通しているものは何でしょう? そう、文字で書かれた言葉だということです。

これをうまく言い表している Getting Real の一節を引用します。

効果的で簡潔な文章を書く能力と編集能力があれば、効果的で簡潔なコード、デザイン、電子メール、インスタントメッセージなどにも応用することができます。

良い文章家の力というのは言葉だけではありません。彼らはコミュニケーションの取り方を知っています。物事を人にうまく理解させます。相手の視点から見ます。不必要なものを見分けます。思考がはっきりしています。そしてこれらが、あなたにも必要なことなのです。

オープンソース開発においても同じことが言えますが、私の仕事にとって文章によるコミュニケーションがそんなに重要であるのなら、文章力の向上に力を注いだほうが良さそうです。

読み手とつながること

良い文章はすばらしいものだと思います。その文章を味わえば味わうほど、自らが書くことに興味が湧いてくるからです。私はKindleで多くの本やブログを読んでいます。そうすると、それほど頻度は多くありませんが、書き手の思いが私の心とつながるように感じることがあります。そう感じるのは、胸を打つ個人的な話題が書かれていたり、難しい話題が簡単な言葉で表現されていたり、声に出して笑わずにはいられないような話題が出てきたりした時です。このように読み手とつながる能力に、私は魅了され、同時に価直を見いだしています。

Matt Gemmell が書いたすばらしいエッセーの中にもありましたが、(さらに多くの)読み手の心とつながることは、私が文章を書くそもそもの理由です。

アイデアの拡散

書くことは、思う存分アイデアを拡散させるのに最適な手段であると確信しています。常日頃から私は、本を読んだら、その本と関連した15分間のTED talksを見るようにしています。例えば、『 良いアイデアはどこから来るか 』を読み、その上で関連する talk を見てください(でも私のブログを先に読み終えてくださいね)。私が何を言わんとしているのかが分かるでしょう。

私は自分の思想や考えの近くにいることが好きです(白状してしまいますと、実は私は内向的で、特に知らない人と話すことが非常に苦手です)。他の人が書いた文章を読むことで考えさせられ、そして触発させられるのと同時に、文章を書くことで自分の考えや感情をつかむことができます。次は私の文章が皆さんを触発することになるかもしれません。

これが、私にとって文章を書く最大かつ最も重要な理由です。

価値の提供

私は書き続ける。書けば書くほど私の文章を読む人たちに価値を与えられる可能性が高まるのだ。―Paul Jarvis

Paulは私が極めて好きな文章家です。Paulがすばらしい散文を書いているから好きなわけではありません。正確に言えば、価値のあるコンテンツを 毎週毎週 出し続けているからです。プロとしてはまだ2年ほどしか書いていませんが、ビジネス、クリエーティビティー、ライティング、そして完全菜食主義者の料理本で、既に ベストセラー本 を自費出版しています。

彼の文章を注意深く読んでみると、Paulが回を重ねるごとに、いかに書く技術が上達していっているかが分かるでしょう。上達の秘訣? 彼は毎日継続して書き続けることで、文章を書く力を磨いているのです。確実に私は彼に触発されて、同じことをするようになりました。

読者を増やすためには、読む価値のある記事だということを示すのがポイントです。うまくいけば、お金をもらえる仕事にできるかもしれません。私は文筆家で食べていくにはまだまだですが、書くことで生計を立てていく方法を知りたいなら、Nathan Barryの著書 Authority をお薦めします。

これを読んだら、私が仕事のために毎日 書き続ける モチベーションの秘密が分かるでしょう。それでもまだ、私が毎日書いている成果が見て取れないという人もいるかもしれません。それこそが私の問題点なのです。

書くことはとても大変な作業です。価値あるコンテンツを思いつき、まとめるのは更に骨の折れる仕事です。1冊の本を書く間、私はただそれだけに専念しました。これも、ある意味で自己満足(自分自身に自己満足だと言い聞かせている)に陥ってしまう理由です。

最大の問題は、私が完璧主義者であるということです。 雑然とした初稿 を書き進めることがなかなかできない上に、その推敲を何か書いた後にまで先延ばしにすることをとても苦痛に感じています。その代わりによく試しているのが、はじめから”正しく”書くことです。そうすることで、作業の過程で不要な苦痛を感じずに済みます。この1年で投稿したブログ記事は、私の努力の結晶です。

公表している文章に触れ続けることが(この投稿が正しい最初の一歩として)私にとって必要なことは明らかです。この記事を投稿した理由のどれをとっても、書き続けることがどんなに重要かを確信します。

このブログを読んでくれている親愛なる読者の皆さん、もし私と同じぐらい書くことに興味があるのなら、ぜひ、その体験談と思いをコメント欄で共有してください。お待ちしています。

監修者
監修者_古川陽介
古川陽介
株式会社リクルート プロダクト統括本部 プロダクト開発統括室 グループマネジャー 株式会社ニジボックス デベロップメント室 室長 Node.js 日本ユーザーグループ代表
複合機メーカー、ゲーム会社を経て、2016年に株式会社リクルートテクノロジーズ(現リクルート)入社。 現在はAPソリューショングループのマネジャーとしてアプリ基盤の改善や運用、各種開発支援ツールの開発、またテックリードとしてエンジニアチームの支援や育成までを担う。 2019年より株式会社ニジボックスを兼務し、室長としてエンジニア育成基盤の設計、技術指南も遂行。 Node.js 日本ユーザーグループの代表を務め、Node学園祭などを主宰。