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Aaron Harris

本記事は、原著者の許諾のもとに翻訳・掲載しております。

「ジミ・ヘンドリックスがカバーしたバージョンが好きで、彼が亡くなってからずっとジミのバージョンで演奏している…」

- ボブ・ディラン、ジミ・ヘンドリックスがカバーした”All Along the Watchtower”について

ほとんどの人はとても怠惰です。時間をかけて新しいアイデアについてじっくりと考えたり、そのアイデアを新たな観点から見直したりしません。いったん何かを決めてしまったら、変更しません。大半の人が新しいアイデアやすばらしいアイデアを思いつかないのは大抵そのせいです。

これは多くのベンチャーキャピタリストにも言えることです。実際に、それが根底にあって創業者は「だれそれがこれをやっていませんか?」という質問をよく受けます。公平のために言うと、この質問は必ずしも怠惰がきっかけとは限りません。エゴによるものでもあります。ベンチャーキャピタルは自分たちがいかに市場に精通しているかを示したいと考えています。「ほら、私はよく知っていますよ。あなたと同じアイデアを思いついた人が他にもいます」と言っているのです。他の誰かが最初に思いついたアイデアだから、あなたのアイデアは何となく劣っていると言外に批判しています。

創業者をけなす手段としてこの質問をする理由の1つは、スタートアップはゼロサムであると仮定しているからだと思います。市場の特定のモデルで生まれた仮定ですが、スタートアップについては完全に間違っています。スタートアップは新たな価値を生み出すので、他の誰かがあなたと同じようなことをやっていたり既に成し遂げていたりしても、そのアイデアがあなたの攻めている市場を拡大または実証するように働くことがよくあります。

別の会社をそっくりそのまま複製するのがすばらしいアイデアだということではありません。問題について独自の考えがなく差別化できない場合、次のうち、どちらかでなければなりません。a) 既知のアイデアのための市場はとても大きいので、複数のプレーヤーがうまく実行できる余地がある。b) 他社は実行するのが非常に下手で自滅するはずだ。両方ともあり得ますが、どちらも難しく、特に会社の初期段階では簡単にはいきません。

愚かな質問に思えるかもしれませんが、私のお気に入りの質問です。創業者にとってもすばらしい質問です。本当に新しいアイデアを見つけるのは非常に珍しいので、私は自分が出会った創業者のほぼ全員にその質問をします。私の期待する答えはほとんどいつも「もちろん他の誰かが前にこれを試みています」です。しかし、それだけでは足りません。その質問にはより深い答えが必要です。他の人々が同じアイデアを試みたことがあるのに、まだ数十億ドルのチャンスが残されている理由についてです。思考と独創性の深さを実証する機会です。その思考のフレームワークと大きな成果を出す洞察力のレベルを示すのです。

監修者
監修者_古川陽介
古川陽介
株式会社リクルート プロダクト統括本部 プロダクト開発統括室 グループマネジャー 株式会社ニジボックス デベロップメント室 室長 Node.js 日本ユーザーグループ代表
複合機メーカー、ゲーム会社を経て、2016年に株式会社リクルートテクノロジーズ(現リクルート)入社。 現在はAPソリューショングループのマネジャーとしてアプリ基盤の改善や運用、各種開発支援ツールの開発、またテックリードとしてエンジニアチームの支援や育成までを担う。 2019年より株式会社ニジボックスを兼務し、室長としてエンジニア育成基盤の設計、技術指南も遂行。 Node.js 日本ユーザーグループの代表を務め、Node学園祭などを主宰。