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Devon Campbell

本記事は、原著者の許諾のもとに翻訳・掲載しております。

ちょうど1年前に、フルタイムの仕事探しをやめ、フリーランスで生きていくことを決めてから、私の生活は一変しました。最近では娘の面倒は全て私が見ているので、私は娘と朝から晩まで生活するようになりました。フリーランスへの転身にはちょうどいい時期だったと思います。 この自由さのおかげで、娘のそばで 成長を手助けすることができるのです。また、妻が足の手術をした際には回復するまで付き添うことができましたし、家の修繕中も私が応対できました。

フリーランスでいることの自由さは些細なことにも表れます。日中に買い物に行き、夕食の材料を買うことができるし、娘の初めての校外学習に付き添うこともできます。それに、宅配業者が来てもすぐに受け取ることができます。

フリーランスになってから、まだ1年しか経っていませんが、もう会社勤めには戻れそうにありません。理由はその自由さだけではありません。 私は人に指図されるのが嫌いなのです。 私は融通の利かない人間でも、わがままな人間でもありませんが、自分の裁量で物事を進める方が好きなのです。結局私は、義務教育やその後の中等後教育を終えた後、他人が私の面倒を始終見てくれるような仕事には就きませんでした。しかし、このようなライフスタイルは私に自由を与えてくれるだけでなく、 “自分らしくありたい”という気持ちを満たしてくれます。 つまり、フリーランスという生き方は、自分の生き方は自分で考えたい私の背中を押してくれるのです。

このように、フリーランスであることのメリットは分かりやすいのですが、ライフスタイルの変化に伴い、相応な代償も払うことになります。メリットについてはすでに多くの記事や投稿で書かれていますので、今回はフリーランスにどのような犠牲が伴うかを 現実的に考えてみようと思います。

あなたはこんな風に考えているのではないでしょうか。フリーランスの仕事を始めれば、誰かがあなたに仕事を依頼してくれて、その仕事が終われば、さらに多くの仕事が列をなして待っている。だから自分はスキルを高め、仕事をこなしてさえいればいいと。実はわたしもそう思っていました。確かに、これはあながち間違っていません。仕事の時間の30~40パーセントはスキルアップのために使われ、残った時間で仕事をするようになるでしょう。

しかし、フリーランスでは 経理としての仕事をこなす必要が生じます。 自分の収入や支出について全て把握しなければなりません。それから地方税や国税が自分の仕事にどのように関わるかを、多少なりとも学んだ方がいいでしょう。このことを通じて、私は地元のテネシー州が、各種Web開発サービスに課税していることを知りました。仮にこれを知らなければ、高価な追徴金を支払う可能性だってなかったわけではありません。そうならないためにも、交通費などは記録し領収証は保管して、申告用紙に書き込むようにしています。見方によっては興味深い作業ではありますが、特に面白い仕事というわけではありません。

マーケティングや販売の経験はありますか? ないですよね。恐らくプログラミングや手の込んだ作品を作り上げる方法さえ心得ていれば、マーケティングなんて知らなくてもいいと思っているでしょう。 その考えも全て変えてください。 いったんフリーになれば、マーケティングは自分の仕事にとって欠くことのできない重要なプロセスとなります。望ましい量の仕事を得られるくらいの知名度と評判のある人なんて、そんなに多くはありません。大半は、自分のサービスを必要としてくれるクライアントを探すことから始め、他の同業者に先んじて自分を選んでもらうため、そのクライアントを説得するのに四苦八苦するはずです。マーケティングがうまくいかなければ、フリーランスとしてのキャリアにも暗雲が立ち込めると言っていいでしょう。

時間の管理も、学びながら磨いていく必要がある重要なスキルです。もちろん、これまでにも時間を意識したことはあるでしょう。ただし、フリーの難しい点は、ほとんどが自宅内の仕事だということです。仕事以外の作業に目移りすることが多々あります。例えば、家の掃除や庭の芝刈りといった生産的なものから、昼休み中のゲームといった自堕落的なものまで挙げていけばキリがありません。加えて、 あなたに対する家族の見方も変わる傾向があります。 会社や上司からの拘束がないあなたに対して、朝の10時とかに平気で用事をお願いしてくることもあるでしょう。家族にしてみれば、あなたが実際に何をしているかが分からず、ただ家の中でのらりくらりと過ごしているように見えてしまうものなのです。こういった脱線や家族からの偏見に打ち勝つため、強い意志を持ち生活のシステムを築かなくてはなりません。

1日8時間の「仕事」だと思っていることができないという最初の厳しい現実を受け入れるのは簡単なことではありません。はじめは、何とかしようとして四苦八苦するでしょう。 仕事中に割り込みが入り、貴重な時間が奪われて行くのにうんざりするでしょう。 仕事を整理して、兼ね合いを調整し、ビジネスのあらゆる側面を行う方法を学ぶことによってあなたは成長するのです。

このようなことを自分自身で全て行うことになります。5000万人がフリーランスで働いていますが、大多数が一人でやっているのです。私は内気な性格なのですが、フルタイムの仕事を辞めて一番後悔しているものがあります。独りでいるのも、独りで仕事をするのも好きなのですが、自分よりも優れた人たちから得られる自己啓発の機会を逃していることです。 インターネットの世界はそのような優れた人たちがたくさんいますが 、日々このような人たちと一緒に同じ目標に向かって仕事をするというのはあり得ないことです。同じ職場の人との社会的な絆もとても貴重です。

夢を打ち砕くようなことを言ってきましたが、皆さんがフリーランスになることを思いとどまらせるつもりはありません。代償は大きくても、一度フリーランスになってしまえば、フルタイムの職に戻るのはきわめて難しいでしょう。払うべき代償を十分に理解した上でフリーランスとしての生活を始めることが重要なのです。そうでないと、フリーランスの厳しい現実を目の当たりにして、元のフルタイムの仕事に逃げ戻ってしまうことになりかねないからです。必要なものが何かを理解し、それを心から受け入れることができれば、フリーランスとして思うがままに職業人生を謳歌することができるでしょう。

監修者
監修者_古川陽介
古川陽介
株式会社リクルート プロダクト統括本部 プロダクト開発統括室 グループマネジャー 株式会社ニジボックス デベロップメント室 室長 Node.js 日本ユーザーグループ代表
複合機メーカー、ゲーム会社を経て、2016年に株式会社リクルートテクノロジーズ(現リクルート)入社。 現在はAPソリューショングループのマネジャーとしてアプリ基盤の改善や運用、各種開発支援ツールの開発、またテックリードとしてエンジニアチームの支援や育成までを担う。 2019年より株式会社ニジボックスを兼務し、室長としてエンジニア育成基盤の設計、技術指南も遂行。 Node.js 日本ユーザーグループの代表を務め、Node学園祭などを主宰。