検索エンジン経由のユーザを獲得する戦略

無料のProduct Office Hours コンサルティングを活用して、WEESPRINGが検索エンジン経由のユーザをリピートユーザに変えた事例

新米ママにとって一番大変なことは何でしょうか? Alley Downeyによれば、それは、赤ちゃんのために何を買えばいいのか分からないことだそうです。「初めてベビーザらスに足を踏み入れた時、思わず涙があふれた」と彼女は言います。「3メートルの高さの棚一杯に、ありとあらゆる種類の哺乳瓶が並んでいるのを見上げて圧倒されたの。生まれてくる赤ちゃんのために何百(何千)のものを選ばなくてはいけないのに、全く準備ができていないという事実をつきつけられた気がしたわ」。

彼女は友人に助けを求めました。友人たちは買うべきもの、買わなくてもいいものについて熱心に教えてくれました。「メールの受信箱が共に奮闘する友人からのメールで一杯になってくると少し不安がやわらぎ、心の準備ができてきたような気がしたわ。赤ちゃんが生まれると、今度はメールを送る側になったの(Triple Paste(オムツかぶれ用の軟膏)はチューブ入りのではなくて、タブ型容器入りを買ってね!などと)」。

彼女は人の親になるということの大変さを学んだと同時に、これが非常に大きなビジネスチャンスであると感じました。新生児の親は1年間に5,000ドル(約53万円)ものベビー用品を購入するのです。第一子が生まれた後すぐに、AllyはweeSpringを立ち上げました。このサイトでは、これから親になる人たちが何を買えばいいのか、信頼できるアドバイスを見つけたり、親になったばかりの人たちが学んだことを共有したりできるのです。1年半が経過すると、weeSpringは、新米と出産を控えたママとパパによる15万件もの商品についてのレビューが掲載される、活発なコミュニティになりました。これから親になる人たちにとっては、Facebook経由でログインして友達のレビューを見ることができる機能もあります。後のために商品をお気に入りに登録しておき、「新生児の必需品」とか「歯が生える時」とか「1歳のプレゼント」などというリストを作っておくこともできます。新米の親たちは実際に自分たちで試して感じた正直なアドバイスをシェアしたり、子供が大きくなるにつれて必要になる新しい製品について学んだりできるのです。

ユーザ獲得のための試み

これから成長してゆくスタートアップ企業の例にもれず、weeSpringも新規ユーザを獲得する方法を模索してきました。ブログにお勧めの製品や使用上のコツを詳しく書いたり、Pinterestで目立つページを作成したり、有償で広告を出してみたりして、登録ユーザを増やすにはどうすれば最も効果的なのか検討を重ねてきたのです。そしてどの試みが一番効率的だったか分析してみました。すると、Alleyと共同創立者のJackは予想外のパターンを発見したのです。

  • 新規訪問者は(例えばgoogleのような)サーチエンジンや、(例えばブログ記事、メーリングリストのeメール、Pinterestのページなどの)リンクを経由してweeSpringの個々の商品ページにアクセスしている。
  • 携帯端末などからアクセスしてくる新規訪問者が圧倒的に多い。
  • リンクをたどって来た新規訪問者は、ホームページのトップからアクセスしてくるユーザに比べると、ユーザー登録をしない。

フロントドア(トップページからサイトにアクセス)ユーザ 対 バックドア(トップページ以外からサイトにアクセス)のユーザ

weeSpringは、スタートアップ企業にありがちな問題を抱えていました。”バックドア”(検索や参照ページ)からサイトにたどり着いた新規訪問者は、weeSpringがどんなものか、どういった価値あるコンテンツを提供しているかを知りません。新規登録もせず、商品のレビューもしません。つまり、バックドアからのユーザは”フロントドア”(順序どおりweeSpringのホームページのトップページから)からアクセスした新規登録ユーザとは全く違ったやり方を取っていたのです。

weeSpringはProduct Office Hoursに登録してアドバイスをもらいました。Product Office HoursはPivotal Labsが提供する1時間無料のコンサルティングサービスで、問題に直面したスタートアップ企業にアドバイスをしています。
 

バックドアからアクセスしてくるユーザを獲得する戦略

私たち(Pivotal Labsのチーム)は、weeSpringが、バックドアユーザを取り込むために、デザインと開発にリソースを割く時期が来たということをはっきりさせました。それからバックドアからのユーザを登録ユーザにできるか、2つの方法を使い、試験的なデザインを試しました。

まず、私たちは、ブログや、Pin、ニュースレターなどからweeSpringの商品ページ(例えばAden and Anaisのおくるみなど)にアクセスして、新規登録をせずに、商品などをクリックした訪問者の目的を特定してみました。その結果、分かったのは次のことです。

  • 商品についてもっと知りたい(商品の簡潔な説明を読んで、他の商品の写真を見たい)。
  • 商品を買いたい(Amazonのリンクに飛びたい)。
  • 商品をお気に入りに登録したい。
  • 他の親が商品についてどう思っているか知りたい。

次に、バックドアユーザの目的が達成されるには、ページに何が載っているべきか考える必要がありました。ここで4つの段階を設定します。

  1. 既存のCTA(行動を喚起するための媒体)を洗い出す:私たちは、それぞれのCTAを個別のカードに書き出しました。リストアップされたのは20種類前後で、「Q&Aを見る」、「Facebookで共有する」、「質問をする」などが含まれます。
  2. 関係のないものを削除する:例えば、あるユーザがその商品を持っているとか、彼女の友達がそれをどのように評価しているかなどを示すような特定のプロンプト(行動を導く・命令を入力するボタンなど)は、アカウント登録をしていない訪問者にとっては全く関係がないものです。
  3. ユーザの目的を優先する:状況に応じたアクションに的を絞ります。weeSpringの場合、新しい訪問者の目的は買い物やお気に入りの登録なので、それらにマッチしたCTAを優先して設置します。
  4. 登録してもらうことを念頭に置く:訪問者に新規ユーザアカウントの作成を依頼するのは、どのタイミングが適切でしょうか。まずは、その訪問者がサイトの内容を把握し、サイトがどのような価値を自分に与えてくれるかを理解した後でなければなりません。その上で、weeSpringの商品ページで「お気に入りの登録」や「商品を購入」ボタンをクリックした時こそが、ユーザアカウントの作成を促すべきタイミングと言えるでしょう。

AllyとJackはProduct Office Hoursでのコンサルティングを終えると、ログアウト時の商品ページを検討し、サイトに初めて訪れるモバイルユーザに向けて、アカウント登録率を改善する試みに着手しました。

バックドアユーザの方が、より購入する

それから数週間後、ログアウト時のモバイル用ページにいくつかの変更が加えられました。そしてその変更以降、2点のポジティブな兆しが見られるようになったと言います。

  • バックドア経由の新規訪問者による登録率が、フロントドアからの訪問者と同程度になった。
  • バックドアから来た新規の訪問者が購入ボタンをクリックする割合は、フロントドアからの訪問者の約4倍に及んだ。

以下のスクリーンショットで、ログアウト時のモバイル用ページにどの程度の変更が加えられたかが分かります。左がログイン時、右がログアウト時です。

購入、登録率の向上、そしてサイトの価値を伝えることに焦点を絞ったささやかながらも効果的なデザインの変更により、weeSpringは以前よりも多くの新規訪問者に対して、アカウント作成と商品購入を促すことに成功しました。この成功により、戦略の基本コンセプトの有効性が確かめられた今、彼らは商品ページの更なる改善へ向けて自信を深めたことでしょう。

彼らの商品ページの今後の展開や、バッグドアユーザのリアクション(商品のレーティングやレビューなど)をフロントユーザに近づけるための挑戦に、私たちも注目しています。