“ノー”と言おう、Facebook社のソースコントロール転換期で理解したこと

私がFacebookに入社したのは、この会社にエンジニアが12人程しかなかった頃です。まだ正式な組織体制はできていませんでしたが、言うまでもなく、エンジニアの責任者は共同経営者のDustin Moskovitzが務めていました。彼は、過去2年の間に、重要な技術のほとんどを構築、そしてデプロイしてきました。常に他のエンジニアと時間を共有し、技術会議にも喜んで参加してくれたことは、大変有難かったです。数少ない私たちのデプロイメントは、どう頑張ってもありきたりなものだったからです。

Facebookがソースコントロールを使用するようになったのは、割と早い時期でした。私が入社する1~2か月前までは、ハーバード大学のサーバーにアップされているファイルを編集する際、重複を避けるためにどのファイルを変更したのかをお互い叫びあって確認していたそうです。結果として、私が入社したころの技術文化は、中断することが当たり前でした。幸運にも私たちのチームは小さかったので、すべての主要な変更にほとんどのエンジニアが関わるという状況でしたから、これが大きな問題になることはありませんでした。6か月後(エンジニアの数は倍に増えていました)、私がある問題に直面したときのことです。いつものようにDustinに助言を求めに行きました。しかし、私が話しかける前に彼は「後にして」と言ってきたのです。私は驚きました。周りの誰もがいつもと違うこの言葉に、驚きを隠せませんでした。私は静かに自分のデスクに戻りました。

この出来事は、私だけに限らず、エンジニアチームにとっても大きな転機となりました。このことがあってから、どのファイルに編集を行っているのかを叫びあって確認することがなくなっただけでなく、お互いの業務を邪魔することがなくなり、今では自分たちの生産性を守るために、業務に専念するようになりました。これは非常に困難なことでした。なぜなら、それは人とコミュニケーションをとることが少なくなる、つまり、“ノー”と言わなければならなかったからです。

先週1週間を振り返って、あなたがどんなことに集中してきたかを思い出してみてください。それぞれに費やしてきた時間は、費やすに値するほど重要なことでしたか? このエクササイズは、優先順位をつける能力を判断するテストです。あなたが、重要なことに対して集中力を維持することができる人間なのか、それとも緊急案件に気を取られてしまう人間なのかを知ることができます。

これは、論理的または杓子定規的なエクササイズではありません。時間を作るという能力は、私たちがどのくらい成し遂げることができるのかということだけでなく、成し遂げることそのものをどう感じるかということも決め手になるのです。1週間ずっと忙しくしていたのに意味のあることを何もできなかったと感じたことはありませんか? あなたの期待値や優先順位が間違っていたのかもしれません。もしくは、やろうとしていたことよりも何か別のことに気を取らてしまっていた、真剣に話し合いをするよりも文句を並べ立てていたのかもしれません。

Dustinにあのような形で断られたことは非常に受け入れがたいことでしたが、彼からしてみれば、正しい行動だったのでしょうし、他の人も彼と同じことをしても大丈夫なんだ、という環境を作り出しました。これは、無礼でいても構わないとうことではありません。依然として、お互いに協力し合う時間を持つことは大切です。自分の時間をどんなことに費やすかというエクササイズをしていくことで、同僚とどう接していくかを決めることが必要になっています。そしてその決定を明らかにすることで、彼らに余計な負担をかけることがなくなるのです。

“ノー”と言うよりも“イエス”と言う方がよっぽど簡単です。ですが、あなたの時間の価値を、他の人があなたと同じように捉えているとは限りません。時間を管理することは、あなた自身に責任があるのです。会議の参加に“ノー”と言いましょう。邪魔に“ノー”と言いましょう。緊急ではあるが重要ではないことに“ノー”と言いましょう。そして、影響を考慮した上で、あなたの時間に優先順位をつけ、周りにいる人たちに対してもそれを明らかにしましょう。何よりも、身を引くこと、検討することを恐れてはいけません。あなたの時間をどう使うのかを考える時間は、いずれ自分の利益となって返ってくる投資なのです。