「Hooked」の著者が教える新規ユーザーの関心を獲得する方法

Nirメモ: Justin Maresは、顧客獲得へのスタートアップガイドとして書かれた新刊の書籍『Traction』の共著者です。Justinのフレームワークでは、新しくマーケティングを担当することになった人たちに向けて、最も効果的なトリガーを見つける簡単な方法を提供しています。tractionbook.comでJustinの本の最初の3章を無料で読むことができます。

6384294717_5047a35d48_bNir Eyalは、自身の著書Hooked: How to Build Habit-Forming Products』(邦訳『Hooked: ハマるしかけ』)で、トリガーの考え方を、ユーザーの習慣形成に関わるものであると紹介しています。おさらいすると、トリガーはアクションを起こすきっかけとなるものです。例えば、Eメールアドレスの送信が求められる“今すぐサインアップ”のボタンがブログ上にあり、それがEメールアドレスを送信しようとするユーザーの心理を促すのであれば、そのトリガーは効果的だということになります。

Hookedで学んだように、人間は何らかのトリガーがあった時のみ、アクションを起こします。では、どのように使用するトリガーを決めますか? そして、トリガーに関する自分の考えが持てたら、それをどのようにして可能な限り効果的に用いますか? ユーザー心理から、どのような考えを探り出せれば、私たちのプロダクトをより多くのユーザーに最初から使ってもらうことが出来るのでしょうか? 

この記事では、外的トリガーを使って関心を引く方法や、ユーザー環境におけるきっかけを用いて現在の顧客をより引き付け、新しい顧客を獲得する方法について述べます。この記事を読み終えた時には、関心を引くためにすぐに実行できる一連のトリガーを理解し、最終的には、あなたのプロダクトにユーザーを一層引き付けることが出来るでしょう。

トリガーの種類

まず、異なる種類のトリガーについておさらいしましょう。Nirは著書の中で、4種類の外的トリガーについて述べています。
1. 有償トリガー。このトリガーは、ユーザーに注目をさせて、プロダクトやサービスに興味を持たせる広告、検索エンジンマーケティング、その他の有料チャネルを含みます。
2. 名声トリガー。このトリガーは直接購入できませんが、短期間の露出を創出するものです。記事、バイラル動画、App Storeのランキングや、講演会などはすべて名声となる機会であり、露出が拡大されることになります。非常に効果的ではありますが、このようなトリガーは続けて再現するのが難しくもあります。
3. 口コミトリガー。このトリガーはあなたが関係する人たちの紹介によって起こります。Kim Kardashianのゲームをプレイしている友人からのツイートや、Facebookの“いいね”、プロダクトの口コミなどを耳にすることを考えてみてください。どれも元々あるつながりを利用して新しいユーザーにたどり着くトリガーで、非常に強力なものとなり得ます。
4. 自己トリガー。最後は、ユーザー自身が選んだ、ユーザーの環境の一部となっているトリガーです。スマートフォン画面にあるアプリのアイコンや定期購読しているEメールのニュースレター、またはユーザーがオプトインしているプッシュ通知などがあります。

自己トリガーは習慣が形成されるまで繰り返すことで関心をつなぎとめる働きをし、他の3つのトリガーは新しいユーザーを獲得する働きをします。ここでは、本記事の目的に沿って、初めての使用を促して新規ユーザーを獲得する、最初の3つのタイプのトリガーに焦点を当てます。

ブルズアイ・フレームワーク

ビジネス成長のための最初のステップは、どのタイプのトリガーが新規ユーザーの獲得に有効で、そのトリガーをどこで展開させたいのかを決めることです。私たちのリサーチによると、会社が顧客を獲得するためには19の方法があります。

このように自由に使えるトリガーがたくさんあると、1つに絞るのが大変です。そこで、“ブルズアイ・フレームワーク”というシンプルなツールを使って、あなたのプロダクトを使用してもらうためにどのトリガーが最適かを選びましょう。

ステップ1: ブレインストーミング

ブレインストーミングの最終目的は、ユーザーを引き付ける合理的な方法を見つけることです。もしインターネット以外で広告を出すとしたら、どこに出せばいいでしょうか? もし講演をするとしたら、理想的な聴衆は誰でしょうか? 

ブレインストーミングのためにリサーチをして、あなたの業界で過去に成功したマーケティングキャンペーンなど、その業界分野でどんなマーケティング戦略が有効であったかを知っておくとよいでしょう。特に重要なのは、他の企業が顧客獲得にどのように成功してきたのか、あるいはどのように失敗してマーケティング費用を無駄にしてきたのかを理解しておくことです。あなたの業界のアドバイザーや先駆者たちに相談して、何が有効で何がそうでないかを学ぶことをお勧めします。またSEMrushKeywordSpyといったツールで他の企業がどんな有償トリガーを使っているのかを見ることができます。Competeというツールなら、どこからのアクセスが多いのか、そのトラフィックを見ることができます。あなたの顧客にはどんなトリガーが過去に有効であったのでしょうか?広告か、バイラルな口コミか、もしくはPRによる名声トリガーか、Eメールマーケティングか?そして、どんなトリガーが失敗しているのでしょうか?

ステップ2: ランク付け

ランク付けによってブレインストーミングの結果を整理できます。また可能性のあるトリガーについて批判的に考えることができます。

標的の命中点(ブルズアイ)を中心とする3つの同心円を、中心に近い円からA、B、Cの3つの列に呼応させて、そこに各トリガーを入れてみましょう。

  • 列A(最も有望): 今、最も効果があると考えられるトリガー
  • 列B(見込みあり): おそらく効果があると考えられるトリガー
  • 列C(低い見込み): 他のトリガーを試した後でなら検討する価値のあるトリガー

ブレインストーミングでのリサーチは、このランク付けに役立ちます。ランク付けは科学的というよりむしろ直観的なものです。通常は、特に有望ないくつかのアイデアが列Aに入ります。次に、有望とまでは言えないが潜在的な可能性があるものが列Bに入ります。そして、比較的実現性が低く、見込みは低いと思われるものが列Cに入ります。

どのようにトリガーをランク付けするかは、会社がどの段階にあるのか、つまりマーケティングにコストをかけられるのか、実験的な試みをできる段階にあるのかなどによって異なります。例えば、会社としてごく初期の立ち上げ段階であれば広告などの有償トリガーは、効果的かもしれませんがコストがかかりすぎます。その他のトリガー(オフライン広告など)も伝えたい顧客によっては的外れかもしれません。

ステップ3: 優先順位をつける

このステップでは、最も有望の列に当てはまる最も効果があると考えられるトリガーを3つ選定します。最も有望の列に1つ以上のトリガーを選定することで、成功するトリガーを1つずつ検証する必要がなく、貴重な時間を無駄にすることはありません。検証は、複数のトリガーを同時に行うようにしましょう。

あなたが行うであろう検証(AdWordsとコンテンツマーケティング)のほとんどは、同時に行うことができます。ですが、準備が整ってから起動するまでにある程度時間がかかることもありますから、複数の検証を並行して行うことが重要です。そうすることで、効果的なトリガー(または効果的ではないトリガー)を素早く見つけ出すことができます。

ステップ4: 検証を行う

検証のステップでは、あなたのアイデアを実際に稼働させてみます。このステップの目的は、最も有望の列にあるトリガーの中で重点的に取り組む価値のあるものはどれで、価値のないものはどれなのかを見極めることです。

あなたは、比較的コストのかからない一連の検証から得られた結果を基に、判断を下すことになるでしょう。
これらの検証は、次の質問に対する回答が得られるようにデザインされてなければいけません。

  • このトリガーで顧客を獲得するのに大体どのくらいのコストがかかるのか?
  • このトリガーで得られる顧客は何人くらいなのか?
  • このトリガーに反応する顧客は、今あなたが必要としている人たちなのか?

検証をする際に気に留めておいていただきたいのは、この段階で行うのはたくさんの人の関心を引き付けることではなく、あなたにとって単純にどのトリガーが効果的なのかを決めることです。

ステップ5: フォーカスを絞る

すべてがうまく行けば、最も有望の列にあるトリガーのうち最低1つは、効果があると考えられる結果が出るでしょう。その場合、関心を引き付けるための取り組みやリソースを、そのトリガーにシフトしていってください。

このフォーカスを絞るステップでの目的は、トリガーからすべての関心を拾い上げるという非常に単純な作業です。目的を達成するには、現在のトリガーを最適化するために、広告コピーやターゲット層、その他の属性を検証し実験を継続していく必要があります。

ブルズアイ・フレームワークの5つのステップは、時間と労力を注ぐのにどのチャネルが適しているかを企業が体系的に判断する手助けになります。あなたにはどのトリガーが効果的でしたか?ぜひ、その経験をコメントで共有してください。

注釈:このゲスト投稿はJustin Maresよって書かれたものです。http://tractionbook.comで彼の著書『Traction book』の最初の3章を無料で読むことができます。

写真提供者:emiliokuffer